ダブルディグリーが取得できるビジネススクールの一覧が知りたい方。これからMBA入学検討をしてるけどダブルディグリプログラムを活用したい。海外と国内で2つの修士号をとりたい。そんな方に向けて記事を書きます。
ダブルディグリーとは?
まずダブルデグリィーの定義ですが、ダブルディグリーとか、デュアルディグリーとか、世の中には色々な言い方があります。英語ではDouble Degree Programで、略してDDPと言ったりします。
シンプルな定義として、この記事では、
文部科学省が平成22年に公表したガイドラインに沿って、「我が国と外国の大学が、教育課程の実施や単位互換等について協議し、双方の大学がそれぞれ学位を授与するプログラム」とします。
要するに、日本と海外の大学の2つの学位の両方をほぼ同時に取得できる制度です。一石二鳥的なメリットがあります。
ダブルディグリープログラムの特徴やメリットは?
ダブルディグリーの特徴
ダブルディグリー制度を持つビジネススクールの特徴ですが、有名どころの国際認証機関より認定を受けている事が挙げられます。例えば、ビジネススクールを認証する国際認証としては主に下記の3つとなります。
3つの主なビジネススクール認証機関
- AMBA (the Association of MBAs)
- AACSB (The Association to Advance Collegiate Schools of Business)
- EQUIS (European Quality Improvement System)
ダブルディグリープログラムとは、大学間の提携制度ですから、お互いの大学が信頼に値する品質水準を保たなければなりません。各団体からの国際認証を受けるためには、教員の数、教員の国際性、英語プログラムを含めたカリキュラムの質と学生の国際性などクリアする必要があります。つまり認証を受けているかMBAはその質が担保されていると前提で、お互いの大学間での提携制度の一つであるダブルディグリープログラムを持つという事になります。
なお、日本のビジネススクールで、2つ以上の国際認証を持つのは、AMBAとAACSBを持つ名古屋商科大学ビジネススクール(NUCB)とAACSBとEQUISを持つ慶應義塾大学ビジネススクール(KBS)、早稲田大学ビジネススクールの3校になります(2020年5月時点)。
また、この3機関全ての認証を受けている大学は「トリプルクラウン」と呼ばれており、全世界のビジネススクールの中の約1%しかないと言われています。
日本にはまだ「トリプルクラウン」を持つビジネススクールはありませんが、ダブルディグリープログラムでは、海外提携校の「トリプルクラウン」を持つビジネススクールで学び、学位を取得する事が可能です。
ダブルディグリーのメリットとは?
ダブルディグリーのメリットに関しては、以前書いた記事がありますので、そちらをご覧ください。
ダブルディグリープログラムがある日本のビジネススクールの例
いよいよ本記事の本題です。
国内のビジネススクールが持つダブルディグリープログラムの海外提携校(2020年1月時点)一覧(例)を挙げていきます。
名古屋商科大学ビジネススクール(NUCB)の提携校一覧
EDHEC ビジネススクール(フランス、リール)
EDHECのMSc in FinanceはFinancial Timesのビジネススクールランキング2017で世界1位となり、その他のMaster Programも、ヨーロッパの上位にランクされるビジネススクールとして有名です。名門の商業系グランゼコールの一つです。ダブルディグリーでの留学先のキャンパスとして北フランスのリール、または南フランスのニースになります。
- 設立: 1906年
- 認証: AACSB, AMBA, EQUIS (トリプルクラウン)
グルノーブル経営学院 (フランス、グルノーブル)
パリからTGVで約3時間、アルプス山脈のふもと、自然豊かなイゼール川沿にグルノーブルはあります。ヨーロッパを代表するグランゼコールの一つです。元東京都知事の舛添要一さん、元韓国大統領の朴槿恵(パク・クネ)さんが留学先として勉強されて事でも知られています。国際ビジネスとマーケティングの分野は、Financial Timesによるランキングで5位(2010年)にランクされました。
設立: 1984年
認証: AACSB, AMBA, EQUIS(トリプルクラウン)
ネオマビジネススクール (フランス、ルーアン)
2013年にフランス国内で最も名声のあるルーアンビジネススクールとランス経営大学院が合併し、新たにネオマビジネススクールとしてスタートした。両ビジネススクールの国際色豊かな伝統も継承され、教員の50%、全学生の30%がフランス国外の出身である。Financial Timesからヨーロッパにおけるベスト•ビジネススクールの一つであると評価されています。
設立: 2013年
認証: AACSB, AMBA, EQUIS(トリプルクラウン)
レンヌビジネス学院 (フランス、レンヌ)
パリからTGVでおよそ2時間、フランスの西部、 多くの日本人観光客が訪れる街のモン=サン=ミシェルに近くにレンヌビジネス学院があります。グランゼコールの一つであり、教員の8割はフランス以外の国出身という事もあり、多様性にとみ、国際的ビジネスパーソンの育成に力を入れています。
設立: 1990年
認証: EPAS
ICNビジネススクール (フランス、ナンシー)
ガラス工芸が盛んで知られているフランス北部のロレーヌ地方のナンシーにICNビジネススクールのキャンパスはあります。 ”Interactive Management”や”Business in Society”を強みとし、地域企業との連携も大変強く、ビジネススクールにおける実学を身に着ける為にインターンシップに力を入れています。
認証:EQUIS
ライプツィヒ商科大学 (ドイツ、ライプツィヒ)
ヨーロッパの名門ビジネススクールの一つで、ドイツ、ザクセン州に位置します。ドイツで最も古いビジネススクールであり、地域企業との連携に力を注ぎ、多くの学生がインターンシップを通してビジネススクールでの学びを実践する機会を得ています。多様性な環境、国際化にも注力しており100以上の海外提携校を有しています。
設立: 1898年
認証: AACSB, ACQUIN
アルバータ大学(カナダ、アルバータ)
名古屋商科大学の創立者である栗本祐一氏が卒業した大学とも知られています。アルバータ州エドモントンに位置し、大学内には400以上のリサーチ・ラボが設置されている研究が盛んな大学です。マネージメント、ナノテクノロジー、医学の分野が特に優れており、世界でもトップクラスの教育を誇る事でも有名です。
設立:1908年
認証: AACSB
ESAN経営大学院 (ペルー、リマ)
2017年にダブルディグリーの提携先として加わりました。ペルー共和国の首都であり、政治、金融、文化の中心地でもあるリマに位置している南米のビジネススクールです。またフランスのグランゼコールとの提携も多く、国際感覚の優れた多くの企業家を輩出しています。
- 設立:2003年
- 認証: AMBA, PI
慶應義塾大学ビジネススクール(KBS)の提携校一覧(例)
ESSEC Business School (フランス)
ESSEC Business School(以下ESSEC)はフランスのグランゼコールの名門校の1つで、1907年設立のビジネススクールは100年の歴史を誇り、そのプログラムは高い評価を受けています。KBSとは、2003年から単位交換留学制度を実施しており、2009年度からはダブルディグリー・プログラムがスタートしました。
HEC Paris (フランス)
HEC Paris(以下HEC)は、1881年に設立されたビジネススクールで、マネジメント教育、研究に特化したフランスを代表する高等専門教育機関(グランゼコール)です。世界95カ国から集まった学生が広大なキャンパスで学んでいます。KBSとHECは、1989年から単位交換留学制度を実施しており、2012年度からはダブルディグリー・プログラムがスタートしました。
WHU – Otto Beisheim School of Management (ドイツ)
WHU – Otto Beisheim School of Management (以下WHU) はドイツ経済界からの寄付をもとに創立された私立のビジネススクールで、小規模ながら優秀な卒業生と充実したカリキュラムに定評があります。多くのランキング 調査で、ドイツ国内だけでなく世界でもトップレベルのビジネススクールとの評価を得ています。KBSとは、1990年から単位交換留学制度を実施 しており、2010年度からはダブルディグリー・プログラムがスタートしました。
早稲田大学 大学院経営管理研究科の提携校一覧(例)
ナンヤンビジネススクール (シンガポール)
世界水準を誇りアジアでトップクラスのビジネススクールに選ばれているNTUのナンヤンビジネススクール(NBS)は、優れた教育、革新的なカリキュラムと質の高い研究に取り組んでいます。NBSは、アジアでは3番目にEQUISとAACSB*の両方から認証を受けたビジネススクールです。150名の専任教授陣は、会計、財政、IT、マーケティング、経営の分野で、研究面においても実践面においても、その第一線で活躍しています。また、卒業生はシンガポールやアジアの産業界や政府で重要な地位を占めています。
認証: EQUIS 、AACSB
出典:早稲田大学大学院経営管理研究家HP
一橋大学大学院国際企業戦略研究科(ICS)の提携校(例)
京都大学経営管理大学院の提携校(例)
- 国立台湾大学管理大学院(会計プログラム、グローバルMBA)プログラム
最後に、、、纏め
以上が国内のビジネススクールが持つダブルディグリープログラム提携先の一覧例です。
ダブルディグリィー実現の為には、事前に念入りな準備が必要です。最低2年の期間で2つの修士号の学位を取るのですから、時間との勝負です。例えば、時間のかかる英語やGMATのスコアは、時間がかかるので注意が必要です。
海外提携先との提携関係や受け入れ先の条件は、毎年更新する可能性もあるので、詳しくは入学を検討されている大学のダブルディグリープログラムを担当する国際担当、または海外の提携先のダブルディグリープログラムを担当する国際担当に最新の情報を確認される事をお勧め致します。