路上の募金活動【日本人書道家とロシアの画家のコラボ企画・EDHEC】
朝から募金活動でリールへ。
組織行動講義のグループワークで癌の子供の夢を応援する慈善団体の為に、
お金を集めてくるというミッション。
色々相談したけれども、ロシア人の絵描きと日本人の書道家のコラボで紙に絵と字を書いて、
募金を集める企画にした。
場所は人通りの多い、リールのど真ん中がいいという事で、街の広場に陣取る。
道路に座って募金を募るのは始めてで、最初はアグレッシブすぎて感覚を掴めないが、待っていると最初のお客がくる。
タタがいろいろリードを取ろうと命令してくる。これまで何もしなかった奴がどうしてこうも出しゃばってくるのだろう。
とにかく何をするにも最初はつらい。日本でも路上で募金集めなんてした事がないのに、広場にブルーシートを敷いて募金活動するのはなんとも言えない感覚。
最悪にも天気が悪く、小雨で寒いリールである。
近くのマクドナルドで女性陣は絵の準備をしている。
ガーナ人のセルマとインド人のパティルは寒いと言って、外に出てこない。
その昔、東日本大震災の復興事業でインド人エンジニアと仙台港近くの汚泥焼却施設で、一緒に働いた際に寒すぎて息ができなかった事がある。暑い国の住人は毛穴が開いており、寒さに弱いのだから気をつけないといけない。
一方、寒さに強いはずのロシア人アンは、「お母さんにこんなこと、しちゃいけないって言われている」と言って外に出てこない。
一人、路上でお金集めをしていると、なんとも心細い気持ちになって、電話で彼女たちに「頼むから。来てくれ」と熱心に懇願する。
女性陣3人は絵の作業忙しいといって、ずっとマクドナルドどから出てこない。最終的に絵の補給に来てくれたが、5分いてアピールのための写真だけ取って、再びマックへと戻って行った。
始めから外にでてやる気はなかったのだろう。
途中、教会から駆けつけたカメルーン人のナンシーが合流する。
チームの中でフランス語を喋るのはナンシーだけ。心強い。ナンシーが強いなと思う。彼女は偉大だ。フランス語を話せるだけでなく、よくもまあ街を行き交う人に募金を説得できるなと感心する。
彼女はエリートなのだと思った。
2時間くらい募金活動をして70ユーロ(約9100円)くらい集まった。
社会的信用
これはフランスの文化のようだが、毎日のようにクレープやらジュースやらを机に並べて募金活動をやっている。
慈善団体への募金活動は日常に溶け込んだフランスの文化なのだ。キャンパス内の廊下に机と椅子があり、予約をして、募金活動を行う。
予約はナンシーがやってくれた。また絵に色を塗ったり、書道をしたりして、それと引き換えに気持ちを募金してもらう。
前回の路上とは違い、もう本当に簡単に募金が集まる。つまり、そのような募金の文化が出来上がっていることと、身元が分かっていること、顔見知りがいるので募金を弾んでくれる。
最近、特に思うことだが新しい事をするとき、社会的信用がまず大事という事。
路上で、フランス語の話せない日本人が募金活動をしていれば、当然、社会的信用がなく、本当にそのお金が目的に使用されるかも分からない。
タタの姿が見当たらない。リールでクロワッサンを勝手に仕入れてきて、「売れば儲かる」と言い張る。絵や書道との親和性がなく、募金の足しにはならなかったが、昼飯を抜いてみんなと後で頂いた。
よくマーケティングの4Pなど戦略を実行するための施策があるが、自分は中国の古典を見れば大体の事は、わかると思っている。
例えば、孟子は戦略が成功する3条件として、天地人と言っている。戦に勝つには、天の時、地の利、人の和。この3つが重要となる。
例えば、1位になったチームは
- 天:EDHECの修了式に募金活動を行なった。EDHECの学部卒業のメンバーが多く、修了式に人が集まると知っていた。
- 地:街ではなく、キャンパスを選んだ
- 人:フランス人が3名いた。また多国籍チームにして、準備と営業にメンバーがおり、協力関係が密であった。
と、勝に値する条件が揃っていた。
キャンパス内での募金プロジェクト修了後にチームメンバーと記念撮影
コメント