30代のサラリーマンがモデル事務所にスカウトされた話
30代半ばで東京に住んでいた時の話、
JR川崎駅の改札を出ると、中年の男性から声をかけられる
「モデルに興味ありません?」
ええ!、なんで私がと思い、聞き返すと
「個性的なんで」と言われて、名刺を渡される
その場は名刺だけをもらい、あとで電話をかけてくれという
しかしなんがら、JRの多くの人の中で自分にモデルのスカウトをしてくれた事に少しの優越感に浸る
会社に戻って、女子社員に話をすると「やっぱりオーラ出てますもん」
とかおじさん社員からは、「これは事務所にいかなくては。断る手はない」と煽ってくる
もともと、なんでも一度は経験してみたい性格なので、スカウトに電話をかける
「ああ、じゃ、事務所に予約するので土曜日の◯◯時に来てください」とあっさりいう
六本木の一等地にある事務所。受付も多分モデルさんで美しい。これからお仲間になるかもしれないと思いながら事務所の待合室で待つ
まっている間に「事務所の所属モデルのカタログをみててください」と受付の方から渡されて眺めると
「えっ!、そこらへんにいる普通のおばさんやおじさん、子供たちの顔が並んでいる」
面談の人は中年のおばさんで、第一声が
「このモデルは世界が広がるから儲けようと思っちゃだめよ。あんたみたいな年齢と性別がちょうど手薄だから、仕事はあると思うよ。ただ、仕事はやめちゃだめよ。あくまでも人生経験だから」
なんだ、それ。モデルでもいろいろあるけど、例えば、テレビの紹介動画のエキストラとか、チラシのエキストラとか、メインの俳優、女優とは違うけど、そんな橋役を斡旋しているような事がわかって来た。
「みてみて、あそこにいる人。うちの事務所の売れっ子だから」
みてみると、そこらへんにいるおじさんだけど。なんでも某カツラCMで活躍しているそうだ。
それで、その面談員が「普通はオーディションを経て、モデル登録するけど、あんたはスカウトされたから、オーディションはなしで、登録できるから。で、写真撮影したり、登録したり、登録費用が20万円ね」という
「ええっ!スカウトされたのに、こちらがお金払うんですか?」
面談員:「当たり前じゃない、エキストラをとってきたりする営業しなくちゃね。で、普通はレッスン費用が高いけど、うちはレッスンないから安いのよ」と
なんでも、普通は歌やダンスのレッスンにタレントの卵がレッスン費用を払うらしい
あまりにもその場で決めろというので、「即答しないとだめですか」と聞くと
「まあ、今日じゃなくてもいいわよ。でも、第1時オーディションの効力は3日以内だから」と言われて、その場は帰る事にした
知り合いのモデルに聞いてみると、大体は売れないタレントというのは、みんな仕事が来なくて困っているらしい。まあ、だらかどれだけ仕事を斡旋してくれるかによるけれども、金額的に法外らしい
ネットで調べてみると、もしモデル登録料としてお金を支払って、仕事が斡旋されないと詐欺に近いが、ほどほどにカタログを作って、ほどほどに仕事を斡旋していれば、極めてグレーでよくある商売の方法らしい
街角でモデルにスカウトされると、普通のおじさん、おばさんは夢をみて、何か自分だけは他人と違うと思い込んで、引っかかるものなのかもしれない
あのタレント名鑑をみているとそんな気がした
または自分の子供の将来を夢見て親が熱心に投資する場合もあるらしい
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