切株更新・倒木更新の哲学・利尻島・姫沼
利尻富士を登った翌日、足が筋肉痛でパンパンに張っていたが、せっかくの機会なので早朝の「姫沼お散歩ガイドプラン」に申し込んだ。
10月後半とオフシーズンの利尻島で申込客が私一人しかいない。ホテルから姫沼への送り迎えもついてマンツーマンの案内をして頂いて2500円とはなんともお得なプランである。
この姫沼は繁忙期には人がいっぱいで観光バスが押し寄せる利尻島の中でも名所との事だ。
前日に登った利尻富士を今度は鏡面の沼から映った姿で眺めるのもなんとも言えない達成感に浸れる。
なんで姫沼かというと、昔ここでヒメマスの養殖をしていたから。サケに関する仕事をしているので北海道でも
支笏湖のヒメマス(地元ではチップと呼ぶ)を食べた事もあるのでなんとも嬉しい情報だ。
で、このガイドの方がとても博識な方で、マンツーマンで姫沼周辺に生息する植物の事を教えてくれた。
一番印象に残っているのが、切株更新・倒木更新という事。
姫沼にある切株や倒木から芽生える新しい命。それらの中には切株や倒木からしら生まれない種があるという事だ。
よく見ると、新しい小さい芽がその切株や倒木から一面に芽吹いている。
伐採や倒木で明るく開けた場所は新しい生命に太陽の光を浴びる機会を与える。
そして切り株や倒木を栄養にして次世代が育つのが「倒木更新」「切株更新」であり、ここで世代交代が行われる。
前日登山した利尻富士が沼に綺麗に写り込む「逆さ富士」を眺めなら、早朝の気持ちいい空気を満喫する筆者。
利尻島に住むガイドさん。夏場は利尻島に住むガイド業を営む、冬はオホーツク海で流氷の案内をされるとの事だ。そんな生活もあるんですね。利尻島の多くのホテルは10月いっぱいで休業する。次の春まで従業員の方は別のリゾート施設で働くとの事。何か楽しまれている感が漂って来る。
切り株から芽生える新しい杉の命。こうやって世代交代が行われていく。
台風で倒木した木もそのままにしておく。そしてここから新しい木が生まれくる倒木更新。
水面が穏やかで綺麗に映り込む木々。ガイドさん曰く、これほど綺麗な沼の状態も珍しいとか。翌日は台風が来る予定との北海道。嵐の前の静けさなのか。
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