デンマーク映画「罪と女王」・ホモサピエンス全史
デンマークの映画賞を総なめしたQueen of Hearts。邦題は「罪と女王」。東京テアトル系で絶賛公開中。再婚した夫の子供と関係を持ってしまう敏腕弁護士の妻。彼女の仕事は主に家庭内暴力や性暴力の被害者の少女たち。
「矛盾して聞こえるかもしれないが、善は悪であり、善は悪」であるという言葉を体現したかのような映画。よくカジノのイカサマ師を取締るには、イカサマ師にやらせた方がいいという事で、アメリカなんかではそうやっているが、そんな事も感じさせれる。
ユヴァル・ノア・ハラスのホモサピエンスでは、農業革命が「史上最大の詐欺」だったと説いている。
ではそれは誰のせいだったのか?王のせいでもなければ、聖職者や商人のせいでもない。犯人は、小麦、稲、ジャガイモなどの一握りの植物種だった。ホモ・サピエンスがそれらを栽培したのではなく、逆にホモ・サピエンスがそれらに家畜化されたのだ。
そして、狩猟生活から農業生活へと移行し、食糧を備蓄できる事で、支配者や聖職者などがその備蓄分の余剰を徴収する事が社会の変化を起こしたと。
農耕のストレスは、広範な影響を及ぼした。そのストレスが、大規模な政治体制や社会体制の土台だった。悲しいかな、勤勉な農耕民は、現在の懸命な労働を通してなんとか手に入れようと願っていた未来の経済的安心を達成できることは、まずなかった。至る所で支配者やエリート層が台頭し、農耕民の余剰食糧によって暮らし、農耕民は生きていくのが精一杯の状態に置かれた。
支配の領域が拡大するにつれて、支配層が自分の支配を正当化する為に、聖職者、哲学者、詩人などに徴収した備蓄分からお金や食糧を提供して社会的な秩序を保つ必要性があった。
支配層、エリート層などが詐欺師から派生したものだと考えれば、今現在、この世の中で起こっている事象がシンプルに理解できるだろう。
まだまだ書きたい事もあるが、本ブログの熱烈な読者である大阪のY氏から私の身を案じて「毒殺される」アラートが送らられるので、今日のところはこのあたりで筆を置くとしよう
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