世界の船乗りが憧れた神戸の水|いま烏原貯水池はどうなっているのか

神戸市街地のすぐ背後に広がる、菊水山・烏原貯水池・鵯越周辺の山麓地域。

※本記事は、烏原貯水池・烏原水源を近代水道システムとして再構築する調査記事の一部です。全体像は「烏原貯水池とは何か」にまとめています。

毎日、何気なく飲んでいる神戸の水道水

実は、神戸市の自己水源は水需要の約4分の1で、残りの約4分の3は、琵琶湖から流れる淀川の水を購入しているそうです。

一方、神戸の近代水道を支えてきた烏原貯水池は、現在は休止中。満水位より約4.0メートル低い水位で維持管理されているとのことです。( ※詳細は現在確認中)

水源地の「水と森の周遊路」を歩くと、多くの禁止事項が書かれています。

  • 魚釣り禁止
  • バーベキュー禁止
  • 水泳禁止
  • たき火禁止
  • 犬の散歩禁止
  • 自転車、オートバイの乗り入れ禁止

以前は少し厳しい注意書きのようにも感じました。

しかし、烏原貯水池の歴史を調べていくと、それが神戸の貴重な水源環境を守るための管理なのだと分かってきました。

取水塔には、当時の兵庫県知事・服部一三の揮毫による扁額、

「養而不窮」があります。

読みは、ようじふきゅう

井戸は人々を養い、その恵みが尽きることはない、という意味になります。

毎日飲んでいる一杯の水の向こうに、神戸の近代水道の歴史があります。

写真2:神戸市公式ページの概略図
キャプション例:
神戸市の給水区域と水源の概略図。地域によって使用される水源系統が異なることが分かる。
写真2神戸市公式ページの概略図
キャプション例:
神戸市の給水区域と水源の概略図。地域によって使用される水源系統が異なることが分かる。
神戸市公式ページの使用水源割合
キャプション例:
神戸市の水道水源の割合。自己水源だけでなく、淀川水系など外部からの受水によって支えられている。
神戸市公式ページの使用水源割合自己水源だけでなく、淀川水系など外部からの受水によって支えられている。
神戸市水道局 概略図
神戸市公式ページの概略図。神戸市の給水区域と水源の概略図。地域によって使用される水源系統が異なることが分かる。
神戸市街地のすぐ背後に広がる、菊水山・烏原貯水池・鵯越周辺の山麓地域。
神戸市街地のすぐ背後に広がる、菊水山・烏原貯水池・鵯越周明治38年に竣工した烏原貯水池・立ヶ畑堰堤。神戸の近代水道を支えた重要な水源施設。
現地に掲げられている注意表示。烏原貯水池が現在どのような位置づけで維持管理されているのか、市民に分かりやすく説明することも今後の課題である。

現地に掲げられている注意表示。水源地の環境を守るため、周遊路には多くの禁止事項が掲げられている。
写真:取水口上部の「養而不窮」扁額
取水塔「養而不窮」。取水塔に掲げられた「養而不窮」の扁額。神戸の近代水道に込められた思想を今に伝えている。

目次

投稿に寄せられたコメント

Aさん:烏原水源池でのバス釣りの記憶

40年以上前に、バス釣りにハマってた時に烏原の水源池でバス釣りをしてて、巡回のお巡りさんに『そこのお兄さん、子供達が真似るので此処で釣りはしないで下さい』って言われてから恥ずかしくなって烏原の水源池でバス釣りは全くしてません(^^ゞ
青野ダムの釣りオッケーエリアとか、当時は権現ダムも釣りとかBBQは禁止されて無かったのでバス釣りとかしてましたね(^^)
今はバス釣り自体は引退しました(^^ゞ。

Bさん:中学生時代に泳いだ記憶

中学生の頃、泳いでいたら
所員に見つかって、中学校がバレないように
制帽を一番に抱えて逃げた覚えが

Cさん:神戸の水は赤道を越えても腐らないという記憶

神戸市民は、海外からの船にも神戸の水を提供して来ていると思います。
子供の頃、神戸の水は、赤道を越えても腐らないと、教えられました。
真偽は、私には分かりませんが?
毎日、安心して水道水を飲んでいます。

Dさん:「Kobe Water」の記憶

かつて外国船が「Kobe Water」は腐らないと、こぞって給水にきた、とお聞きしました。
丁寧な資料調べ、極めてわかりやすく、神戸の歴史的変遷を辿られ嬉しく思います。
ありがとうございます😀!

Eさん:水道筋商店街と水道工事の記憶

明治の頃から水不足は心配されていました。
灘の水道筋商店街は淀川からの水を引き込むための水道工事後に作られました。

Fさん:神戸の水源についての気づき

神戸の水は全部淀川の水だと聞いていましたが、4分の一は布引の水だったのですね。
しらないことを教えて頂きありがとうございます。

今回の投稿には、烏原貯水池で釣りや水泳をしていた記憶、外国船が神戸の水を給水に来たという話、赤道を越えても腐らない水という伝承、水道筋商店街と水道工事の記憶など、多くのコメントをいただきました。

こうした声を読むと、神戸の水道は単なるインフラではなく、市民の記憶や港町神戸の歴史と深く結びついていることが分かります。

参考文献・参照資料

  • 神戸市 編『神戸市水道拡張誌 上巻』神戸市、1922年
  • 神戸市水道局『神戸市水道七十年史』神戸市水道局、1973年
  • 神戸市水道局総務部庶務課『神戸「水」物語 改訂版』神戸市水道局総務部庶務課、1994年
  • 神戸市水道局公式ページ「神戸の水道の特徴」
  • 神戸市水道局公式ページ「神戸市の水道水源と給水区域」
  • 神戸市水道局からの回答
  • 烏原貯水池・立ヶ畑堰堤・水と森の周遊路・取水塔の現地確認
  • Facebook投稿に寄せられたコメント

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