廃墟?or パラダイス?越前大仏への旅・五重塔・日本一・アクセス

越前大仏
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マイクロツーリズムの始め方・勝山・越前大仏・五重塔・日本一・廃墟・アクセス

たかし

越前大仏って絶対感動するよ

最近、哲学者になりつつある石川県の友人から連絡が入った。なんでもおすすめの場所があるという。

越前大仏、奈良の東大寺の大仏より2メートル大きく、日本一の大きさを誇る。しかし、人が全くいないという。

なんでだろう?

これまで、様々な人からおすすめがあるという地方の見所に連れ出されて、これまでの経験から期待外れと思いきや、その期待はいい意味で裏切られた。こんな場所が日本の、しかも福井県にあるとは。

これほど壮大な敷地に人がいない。まさに、これからのコロナ騒動の中での、近場の旅行、マイクロツーリズムにぴったりではないか。

「越前大仏」の滞納40億円を放棄 勝山市、回収見込みなく差し押さえ解除

2018年9月28日の福井新聞ではこのように報道している。

福井県勝山市が、越前大仏で知られる大師山清大寺(同市)を建立、運営し経営破綻したグループ企業2社の滞納市税約40億8千万円を、民間の債権放棄に当たる不納欠損処理していたことが9月27日分かった。市税滞納から22年を経て五重塔や土地などの差し押さえを解除した。2017年度決算で処理し現在、市会決算特別委が審査している。

市によると、差し押さえていたのは高さ75メートルの五重塔や門前町の建物と敷地約3万4千平方メートル。所有していた不動産管理会社など2社の1996年度から2014年度までの法人市民税、固定資産税の滞納分として差し押さえていた。現在は宗教法人の清大寺が所有している。 

07年以降、公売見積価額(最低落札価格)35億円で五重塔などを公売に出したが応札はなく、計9回すべて不調に終わっていた。14年に国税徴収法改正で差し押さえ解除の要件が明確になったことを受け、このまま公売を続けても回収の見込みがないことから今春、不納欠損処理を決め手続きを進めてきた。

確かに地元の人から聞いた話では、五重塔が売りに出されていたという。「よかったら買ったら」なんて言われたが、どのように使っていいものか。ガスや水道なども通っておらず住居用にもむかないし、観光用に開放するとしても五重塔だけで集客するのは難しいだろう。

しかも価格が35億円って。案の定、公売に出したが9回すべて不調に終わったのはうなずける。

高さ日本一の五重塔

五重塔

それにしても見事な五重塔。最上階には阿弥陀如来、釈迦如来、薬師如来が安置されており、独特の空間を醸し出している。エレベータが設置されていて、昇降もスムーズに行える。

越前大仏
五重塔

この五重塔は、相輪までの高さが75メートル。京都の東大寺の五重塔(55メートル)を抜いて、日本一の高さです。田園が広がる勝山市を一望でき、しかも人がいない。その景色はあなたの貸し切りです。

越前大仏
越前大仏

入り口にある門前町商店街。お土産屋、食べ物屋さん、研修道場の看板が見られますが、閉店しているお店が殆どです。大仏が出迎えてくれます。奈良の東大寺を意識した作りで、当初は観光名所として整備したようですが、思ったほどの観光客が来なかったようです。

チケット売り場の係員が一人で掃除などをしながら対応されていました。参拝料金(入場料金)は大人500円。駐車場料金は無料です。地元の人によれば、「できたばかりの価格設定が間違い」だったと言います。当初は参拝料金が3000円、駐車場料金が1000円円という設定だったそうです。

これだけの建物ですから、その位の価格設定にしないと初期費用や運営費を考えれば妥当の価格かもしれません。しかし、観光業者から高いと言われ、観光バスが足を遠のいっていったそうです。

入場料と開館時間

開館時間8:00~17:00(冬季変更有)

休館日無休(冬季臨時休業有)

拝観料大人 500円/小人(小・中・高校生)300円

越前大仏
越前大仏

スケール感がとにかく大きい。この大仏殿の広場は北京の天安門させ思わせるような日本の中では規格外といって良いでしょう。門を守る金剛力士(仁王)像の大きさに圧倒されます。

東大寺大仏より2メートル大きい越前大仏

越前大仏

大仏殿は木造のように見えますが鉄筋コンクリート作りです。開口58メートル、奥行き48メートル、高さ52メートルの重層寄塔で、東大寺大仏殿をうわまる建造物と言われている。大仏の大きさは東大寺の大仏より高さ2メートル大きいという。

総工費が約380億円と言い、想像を絶する。大仏殿にはお坊さんの姿は訪問日には見られないが、2名ほど在中されているというイベントの時には岐阜の高層が来られるという。テープレコーダーのお経が流れて、その空間と雰囲気はなんとも言葉にできないものがあった。

清大寺(越前大仏)を建立した多田清氏

2018年9月28日の福井新聞によると、

清大寺は1987年に同市出身の故多田清氏が建立。一時、寺を運営していた相互タクシー(08年自己破産)が国税庁から申告漏れの指摘を受け争ったものの法人税の追徴課税213億円が02年、最高裁で確定。その後、寺を所有していたグループ企業とともに経営的に行き詰まり県税、市税を滞納し、土地建物が差し押さえられていた。

なるほど、男のロマンですね。このお寺が個人で建立されたというのが驚きです。総工費が約380億円ですから。

総工費が約380億円の越前大仏(清大寺)を建立した多田清氏は明治38年(1905年)の生まれ。福井県勝山市の出身。裕福な庄屋で恵まれた家で誕生したが、親の事業が失敗すると同時に大阪に移住し、貧しい生活を送る事になる。早くから丁稚奉公や大阪港での荷役作業をこなし、仕事中心の生活を送る。20代にして、相互タクシーを事業を起こし、成功を治める。

九龍壁

マズローの五段階欲求が示す通り、お金で成功した者が目指す次のゴールは社会貢献です。日本語ではSocial Recognitionを自己実現と訳しますが、これは共産主義のレッドパージが行われた時期の為であり、本来の意味は社会貢献、社会的評価です。

事業で金銭的な成功を収めた多田清氏が目指した者は、生地である福井県勝山市への恩返しでした。そしてこれまで生きてきた中で迷惑をかけてきた人々の仮を返さなければならないと、この総額380億円の越前大仏を建立するのでした。

男のロマンですね。1987年に完成した越前大仏。完成後の1991年に多田清氏は永眠されました。そして氏の葬儀は清大寺(せいだいじ)で執り行われました。

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