東京テアトル映画レビュー・パブリック・図書館の奇跡・マスコミと政治に一石を投じる
記録的な寒さのシンシナティ
ホームレスの凍死の問題も顕在化し、受け入れシェルターも満杯に
そんなホームレスたちが集うのが州の中央図書館
しかしながら朝9時開館で夕方には閉館する図書館を出ると極寒の地が待っている
「冒頭に本と人を愛するなら、あなたは図書館司書になりなさい」とセピア色の宣伝が流れる
と思いきや、利権に汚れた政治とマスコミの偏向報道を批判するラップが流れる
古今東西、同じような事が起こっている
舞台は米オハイオ州シンシナティの公共図書館
図書館員スチュアート(エステベス)は、顔なじみのホームレスから大寒波で市のホームレス・シェルターが満杯になったから「ここを占拠する」と言われる
仕方がない。ごく普通の図書館員が避けがたい現実《寒さ》を前に決断
しかし彼にも過去
昔はホームレス、アルコール依存症を克服し、学位をとり、社会に復帰できたので本を読み始めたおかげ
人間の身に起こる問題は大体が、すでに歴史で繰り返されているもの
本を読めば解決してくれる
図書館はあらゆる素材が用意されており、誰しもが利用できる公共の場所
無限のような本の中からどれを選ぶのか
インターネットの時代にも本でしか見つからない解決策も存在する
何十人ものホームレスが束になり図書館を占拠する
館長(ジェフリー・ライト)は規則を楯(たて)に彼らの行動を認めないが、規則を守れば凍死者が出る
スチュアートはクビを覚悟で彼らの側に立つのである
ただ寒さを避けたいだけの人々を、自己アピールのためにテロだの人質だのと歪(ゆが)めて解釈するテレビの浅ましさ
売れる為には過剰演出というやらせは今も昔も同じ
NHKだからといって報道を鵜呑みにするのは危険
そのまま信じ混んでいる洗脳された人間の脳みそを解き放つのは並大抵の作業ではない
レポーターは、スチュワートの過去を暴いて危ない人間に仕立てあげるのであった
なぜか人質事件へと発展する
事態の発生に図書館には次期市長選出馬に役立つなら何でも利用する検察官(クリスチャン・スレーター)や、息子に手を焼く交渉係の刑事(アレック・ボールドウィン)が集まり
つい最近もどこかも選挙で見たような後継が広がる
元図書館の副理事が書いたエッセーにヒントをに1980年代の青春映画スター、エミリオ・エステベスが11年の歳月をかけて脚本を書き、製作・監督・主演で完成させた誠実な社会派ドラマ
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