戦略論のジョージ【EDHEC日記】
DAY2の終わりからご機嫌ナナメである戦略論のジョージ教授。
国籍はカナダだが祖先はドイツ人。ドイツ人気質の男性教員は厳しいイメージが昔からある。
大学の専攻が電気だった為、ドイツ語が必修だった。電気技術はその多くがドイツから輸入されたものであったので。当時の教員がオーストリア人で、生徒が私語をしていると強面で注意し、また簡単に単位を出さなかった。
で、気付くと次の学期は皆、他の日本人講師のドイツ語クラスに流れて行った。掲示板で生徒がゼロなので、これはマンツーマンでレッスンを受けられるチャンスと思いオーストリア人教員のドイツ語を選択した。
もし生徒がゼロだったら講師も給与が出ないらしく、一人生徒がきたので給与が出るという事で大変歓迎された。生徒一人なので、教室でなく、私の部屋で好きな事やろうというので、「何が希望か?」と聞かれたので、ドイツワインを飲みながらドイツ語でのテイストの表現を教えてもらったり、ドイツサッカーの話をしたり、ドイツ語の歌を聞いたりと希望を伝えた。当然、テストなどというものもなく、評価はAをもらった。
まさに「人の行く裏に道あり 花の山」である。
それからドイツとは縁ができて、学生時代に文部省が主催する日独勤労青年交流事業に応募し、採用され、ドイツへの研修に参加させて頂いた。それが初めての海外で、今でもドイツは思い深い国の一つである。
一見怖そうに見えるけど、きちんと誠意が伝われば、優しい人たちが多い。ジョージもそんな感じの人で、私は気が合った。
クイズの結果があまりよくないので、「質問をしなさいと」と強面の顔でいう。質問と違う回答が多く見られたとの事。「昨年の生徒は理解できたのに、何で君たちは理解できないのか」と、、、、
そんなことはさて置き、自分のことかと思いつつクイズの返却をみるが10点満点だった。エクセレント。
クイズというので選択式かと思っていたが、記述式のテストであった。他の生徒からもこれはクイズと呼ばないと大ブーイングである。英語のスペル間違いはあったが、それよりも本質的に講義の内容を理解しているかを問われる評価だったので助かった。
戦略論は日本時代から得意にしていたので、理解はしやすかった。日本人の大前研一がマッキンゼー時代に開発した3C分析は日本では
- Customer(顧客)
- Company(自社)
- Competitor(競合)
ここではCompetitors offering, Customer’s needs, Firm competitive basis として英語表記される。
Customer’s needsと書くと、顧客ニーズとなるが、実際にはマーケット状況や市場機会なども入るのでないかと議論したが、私の意見はあえなく却下された。あらためていかに英語で説得するかが問われると思った。
この3Cモデルから、派生したジョージ独自のUnique Competing Space(UCS)のフレーム・ワークをずっと使用して行くことになるが、クイズで3Cなどと書くと減点を食らうものだから、ずっと3Cという言葉を封印した。
もう一つのフレームワーク、5つのブロック分析では、
- Many companies do not know why is competing (Unique Competing Space)
多くの会社は何故、競合しているのか知らない - Whom are we crating this value for? この価値を誰の為に創っているのか?
- What are we creating this value for? この価値を何の為に創っているのか?
- What is our own basics of competitiveness? 私たちの競争力の源は何か?
- How we best “get our organization act together”? どのように組織内の多数の人々の瞬発力を爆発させる事ができるか?
「多くの会社はなんで競合しているか知らない」というのがかなり本質をついていて、多くの経営者と話していてもよく分かっていないで経営しているケースが多いし、うまく答えらない経営者がいる。それで効果のないところに多くのリソースを費やしている。
これからの新しい成長分野にその5パーセントでもリソースを割けば、大きな利益が得られると分かっていても、過去の成功体験から離れらずにいて、既存の事業の立て直しにばかり目を奪われている。
これは会社のみでなく、個人についてもそうで、どうやって差別化するのかというのが課題で、「人のやれない事をやる」というのは、知識で分かっていても行動に結びつかない事が多い。それは非難を覚悟して、自分の信念を貫かなければならないから。
自分の強み。自分の領域。
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