【パリ紀行】フランスで体験したストライキとルイ16世
2018年のフランスは本当にストライキの頻度が多い時期だった。
日本語を教える教師のアシスタントで、リールに行った時にデモ行進に遭遇した。まあ、白煙筒で煙はモンモンだわ、ラッパの音で騒がしいし、警察や軍人が道路に沿って行進を囲み、暴動が起こらないように警備をしていた。
たまたま、クラスメートのエチエンヌと行進の側であい、彼はニコニコ笑いながら、「ユウイチ、これがフランスだよ」と言った。なんていうか、「民衆の力」を感じた。さすがは王族マリーアントワネットとルイ16世を処刑した国である。
マクロン政権が誕生して、労働条件の改革を推し進め、SNCF(フランス国鉄)や空港職員の労働組合を中心にストライキが継続的に行われて、陸や空の足に影響がでた。
日本語教室に来ていた現地のフランス人は、出張先から帰れなくなって大変だと言っていたが、何故かそこはニコヤカだ。
フランスでは労働者の権利が非常に他国と比べると強い。いかなる規模の企業でも、従業員を雇用する際は、雇用契約書が義務付けれている。
契約書には、期間限定か期間無期限か、労働時間、給与、有給休暇の記載をしなければならない。有給休暇は年5週間である。これは最低基準で約35日であり、これがいわゆる魚の福祉である。
しかも労働者の権利として強いのは、一度、雇ってしまうとなかな解雇できないという事だ。試用期間中には、本契約にするかどうか判断期間があるが、仮契約の時は真面目に働くが、本契約になると態度が一変するということが往々におこる。
それで、マクロン政権としては、国際競争力が失われつつあるフランスで、労働者の権利を国際水準並みに下げようとするのだが、それはストライキの国フランス、そう簡単に許すはずはない。
何か社会的な問題がおこると、ストライキやデモ行進で解決しようとするフランスのやり方はいいとは思はないが、そのエッセンスを少し味わせて貰って、民衆の力を感じた。
身を削り 人に尽さん すりこぎの
その味知れる 人ぞ尊し
(永平寺、大きなすりこぎを読んだ歌)
写真は2018年のリール市内でのデモ行進。
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