神戸市兵庫区の湊山温泉で、利用客へのマナー周知がさらに強化されました。
2026年8月6日、湊山温泉は利用客に「ご来店のお客様へ大切なお願い」を配布し、カラン台の場所取りをはじめとする、周囲への配慮を欠いた行為に厳しく対応する方針を示しました。
翌日の8月7日には、新たに「2026夏 マナー強化月間」と題した案内が配布されています。
前日の「お願い」から一歩進み、施設として禁止する行為と、改善されない場合の対応が明確に示されました。
湊山温泉が「2026夏 マナー強化月間」

昔ながらの暖簾が掛かる湊山温泉。地域で長く親しまれてきた源泉かけ流しの温泉です。
8月7日に利用客へ配布された案内では、終日実施する重点強化ポイントとして、次の2項目が示されています。
- RULE 1:脱衣場でのスマートフォン使用禁止
- RULE 2:浴室での場所取り禁止
さらに、案内には次のように記されています。
下記行為を禁止します。
注意し改善が見られない場合、責任者とお話しいただき、場合によって出禁措置を取りたいと思います。
単なる注意喚起ではなく、施設が禁止事項として明文化し、注意しても改善されない場合には、出入り禁止措置も検討するという内容です。

2026年8月7日に利用客へ配布された「2026夏 マナー強化月間」の案内。脱衣場でのスマートフォン使用と浴室での場所取りが、重点的な禁止事項として示されています。
注意書きを掲示しても改善されない現状
湊山温泉の方に話を聞いたところ、角にあるカランの前には、以前から場所取りをしないよう注意書きを掲示していたそうです。
しかし、注意書きが目に入っているはずでも、知らないふりをして従わない利用者が多いとのことでした。
施設側が掲示による注意喚起だけでなく、利用客一人ひとりへの文書配布に踏み切った背景には、これまでの方法では十分に改善されなかった事情があるようです。
前日の文書では、長年通う常連客であっても、新しく訪れた利用客であっても、平等に対処する方針が明記されていました。
今回の「マナー強化月間」は、その方針を実際の運用へ移したものといえます。
カランの場所取りをめぐる具体的な問題については、前日の記事で紹介しています。
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▶ 昔ながらの温泉を誰もが利用しやすい場所へ|湊山温泉から利用客へのお願い
脱衣場でのスマートフォン使用を禁止
今回、新たな重点項目として明確に示されたのが、脱衣場でのスマートフォン使用禁止です。
脱衣場は、利用客が衣服を脱ぎ着する場所です。
本人に写真や動画を撮影する意図がなくても、スマートフォンを操作しているだけで、周囲の利用者に不安を与えることがあります。
カメラが付いた機器を脱衣場で使用していれば、
「撮影されているのではないか」
と感じる人がいても不思議ではありません。
誰もが安心して利用できる環境を守るためには、撮影行為だけでなく、脱衣場でのスマートフォン操作そのものを禁止するという明確なルールが必要なのでしょう。
前日の投稿には大きな反響
8月6日に配布された「大切なお願い」を紹介したところ、投稿には多くの反響が寄せられました。
コメントでは、浴室の場所取りについて、施設が禁止事項として明確に示し、改善が見られない場合には厳しく対処する方針を支持する声が目立ちました。
一部の利用者にとっては長年続けてきた習慣であっても、ほかの利用者に不便や不快感を与えているのであれば、見直す必要があります。
今回の対応は、常連客を排除するためのものではありません。
長年通っている人も、初めて訪れた人も、同じ施設を利用する一人の客として、気持ちよく過ごせる環境をつくるための取り組みとして受け止められています。
昔の銭湯で教えられた公共浴場のマナー
投稿には、湊山温泉と地域の暮らしの歴史を伝えるコメントも寄せられました。
Mさんによると、大倉山公園にあった風呂のない戦災復興住宅で育ったお父さまは、近くの銭湯が定休日の日などに、湊山温泉へ通っていたそうです。
銭湯で育ったお父さまは、公共浴場のマナーに厳しかったとのこと。
Mさんが初めて銭湯を利用した際には、入浴中に銭湯でのマナーを事細かく説明され、その話があまりにも長かったため、のぼせてしまったという思い出があるそうです。
思わず笑ってしまうエピソードですが、昔の銭湯が、単に体を洗う場所ではなかったことも伝わってきます。
多くの人が同じ湯船や設備を使うからこそ、周囲への配慮や公共浴場での作法を、親から子へ伝える場所でもあったのでしょう。
昔ながらの銭湯文化とは、常連客が自分の場所を確保する文化ではなく、皆で気持ちよく利用するためのマナーを大切にする文化だったともいえます。
昔ながらの温泉を誰もが利用しやすい場所へ
湊山温泉は、昔ながらの雰囲気と源泉かけ流しの湯を楽しめる、神戸市内でも貴重な温泉です。
長年通い続けてきた常連客が、湊山温泉を支えてきたことは間違いありません。
同時に、これからも施設を維持していくためには、初めて訪れる人や若い世代にも、安心して利用してもらえる環境が必要です。
今回の「2026夏 マナー強化月間」は、昔からの温泉文化を否定するものではありません。
むしろ、公共浴場を皆で気持ちよく使うという、本来のマナーを改めて確認するための取り組みといえます。
注意書きを見ても従わない人がいる以上、施設側が禁止事項を明確にし、場合によっては出入り禁止措置を取る方針を示すことも必要なのでしょう。
昔ながらの温泉を、一部の人だけの場所ではなく、誰もが安心して利用できる場所として残していく。
今回のマナー強化月間は、そのための大切な一歩だと思います。
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