2026年7月28日、神戸市兵庫区の湊川公園を訪れると、大楠公こと楠木正成の騎馬像に足場が組まれ、全体が幕で覆われていました。
一見すると、大楠公像そのものの大規模な修復工事にも見えます。
しかし、現地を確認した範囲では、工事名や作業内容、工事期間などを説明する案内は見当たりませんでした。
何の作業が行われているのか。地域の歴史記録として正確に残すため、神戸市に問い合わせました。

昭和10年に建立された大楠公像
湊川公園の大楠公像は、昭和10年(1935年)5月、大楠公六百年祭の際に建立されました。
馬上で采配を振る楠木正成の姿は、長年にわたり湊川公園を象徴する存在として親しまれてきました。
大楠公像は2019年から2020年にかけて修復され、2020年3月に新しい台座とともに湊川公園へ戻されています。
今回、像全体が足場と幕で覆われていたため、再び銅像本体の修復が始まったようにも見えました。
「何の作業をしているのか」と市民からも反応
現地の様子をFacebookに投稿したところ、次のような反応が寄せられました。
「修復中だったのですか。何の作業をしているのかと思いました。スケジュールは分かりますか」
足場と幕だけでは、銅像の修復なのか、台座の補修なのか、外から判断することは困難です。
また、同じ湊川公園にある聖徳太子像についても、現在の状態や震災後の経緯を心配する声が寄せられました。
湊川公園にある歴史的な像に、市民が関心を持っていることが分かります。
神戸市へ工事内容を問い合わせ
2026年7月29日、神戸市の「道路公園110番」を通じて、次の内容を問い合わせました。
1.工事または作業の正式名称
2.具体的な作業内容
3.工事期間および完成予定日
4.2020年に実施された修復との関係
受付番号は398でした。
同日夕方、中部建設事務所から電話があり、今回の作業は「台座の塗り直し」との説明を受けました。
ただし、電話による説明だけでは正確な工事内容を記録できないため、文書による回答を依頼しました。
その後、神戸市建設局中部建設事務所から、道路公園110番を通じて正式な回答が届きました。
正式名称は「楠木正成像台座 化粧板更新工事」
神戸市からの回答によると、今回の工事の正式名称は、
湊川公園 楠木正成像台座 化粧板更新工事
です。
具体的な作業内容については、台座表面の吹き付け部分などに汚れや剥がれが目立ってきたため、化粧板を更新するとのことでした。
工事期間は、
2026年7月21日から8月7日までの予定
です。
また、2020年に実施された修復との関係については、2020年に設置された台座部分の化粧板を更新するもので、銅像本体には触れていないとの回答でした。
大楠公像本体の修復ではなかった
今回の工事は、大楠公像そのものの修復ではありませんでした。
正式には、2020年に設置された台座部分の化粧板を更新する工事です。
電話では「台座の塗り直し」と説明されましたが、文書回答によって、単なる塗装ではなく「化粧板更新工事」であることが分かりました。
足場と幕が銅像全体を覆っていたため、外から見ただけでは銅像本体の修復に見えます。
しかし、実際の作業対象は台座部分のみでした。
これが、2026年に行われた「大楠公像修復工事」の実像です。

現地に工事内容の案内は必要ではないか
今回、神戸市への問い合わせによって工事内容を確認できました。
一方で、歴史的な像が足場と幕で覆われているにもかかわらず、現地には作業内容や工事期間を説明する案内が見当たりませんでした。
湊川公園を利用する人にとって、像がなぜ覆われているのか、いつ工事が終わるのかは気になる情報です。
大規模な記者発表までは必要ないとしても、少なくとも現地に、
- 工事名
- 作業内容
- 工事期間
- 発注部署
- 問い合わせ先
を記した案内があれば、不要な混乱や憶測を防ぐことができます。
今回も、Facebookには「何の作業をしているのかと思った」という反応が寄せられました。
市民に身近な歴史的施設を工事する際には、簡単な説明を現地に掲示することが望ましいのではないでしょうか。
工事概要
工事名
湊川公園 楠木正成像台座 化粧板更新工事
工事内容
台座表面の吹き付け部分などに汚れや剥がれが目立ってきたため、化粧板を更新
工事期間
2026年7月21日~8月7日予定
作業対象
2020年に設置された台座部分の化粧板
銅像本体
作業対象外
回答部署
神戸市建設局中部建設事務所
まとめ
2026年7月、湊川公園の大楠公像は足場と幕で全体を覆われました。
大楠公像本体の再修復にも見えましたが、神戸市に確認した結果、実際には2020年に設置された台座部分の化粧板を更新する工事でした。
地域の歴史を記録するうえでは、現地の様子だけで判断せず、行政から正式な回答を得ることが重要です。
同時に、市民に親しまれている歴史的な像の工事については、現地でも作業内容を分かりやすく知らせる必要があると感じました。



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