ヨーロッパからコロナ帰国・関西国際空港・手順・体験談・Part.3 【ホテル自主待機編】
はじめに
Part1またはPart2を読まれた方は「はじめに」を飛ばしてくださいね。ここからは実際の移動や日本の空港についた後の体験談に基づいた手順です。
もちろん移動することが一番の目的ではなく、本来の目的は、日本に残した家族サポートやその他リモートではどうしても限界があったための帰国です。現地の仕事も緊急事態も少し落ち着きを見せ始めたので、悩みましたが思い切って移動しました。
あくまで今後再び起こるかもしれない有事の際の参考のためなので、私個人の体験から皆様の追体験を促し自分ならこうする、ああすると妄想する手助けになれば幸いです。また、帰国に悩んでいる人の重要な情報源になると幸いです。興味があれば最後までお付き合いください。
何よりもまず申し上げたいのは、空港などいわゆる水際で働いている方、我々を適切に対応くださった方には本当に感謝しました。暑い中、戸惑う我々を笑顔で対応、重い荷物を代わりに丁寧に運搬、我々の不便のないように様々な気遣い、こういった現場の努力はこちらの不安を一掃してくれました。私たちの見えないところでもいろいろ動いてくださった方々含めて、大変感謝申し上げます。
海外から戻った際の自主隔離って実際どんな感じ?
日本へ帰国する際の準備や、実際に日本へ帰国しPCR検査結果が判明するまでについてはPart1やPart2をご参考くださいね
今回は、海外から帰国すると要請されている14日間の自主隔離期間についてです。正確には、「隔離」ではなく「待機」と表現されているようです。
内容としては以下になります。
- 自主隔離中の宿について
- 自主隔離期間中の国からのフォローアップ
- 自主隔離中の過ごし方
- 自主隔離を終えて(感想)
私の話に入る前に、まずは以下の2つをご覧ください。検査待機時・結果判明後についてどうしたらよいかざっくりわかります。
帰国された皆様へ:よくあるご質問(厚生労働省 医薬・生活衛生局 検疫所業務管理室)
このpdfは帰国した当日にも印刷されたものが配られました。
健康カード(帰国当日に検閲所から配布)
書面では、以下の5点を守って行動するよう要請があります。
- ①指定された場所から14日間外出せず、ヒトとの接触を可能な限り控えること
- ②公共交通機関の不使用
- ③健康状態を毎日チェック
- ④症状が出たら、マスク着用、帰国者・接触者相談センターに連絡
- ⑤家族等と同居の場合、手洗い奨励、健康維持、家族で体調悪化の場合の指示
これらを踏まえて以下、私の実体験を読んでいただくとより参考になると思います。
1.自主隔離中の宿について
私の場合、空港すぐそばのホテルで隔離生活をしていました。そこを選んだ理由は、Part1をご参考ください。簡単に言うと、
- 帰国者の受け入れ可
- 万が一発症した際の対処
- 診断結果次第で、当日キャンセル可
- 宿泊費用
- 移動が容易(公共交通機関は使えない。タクシーも不可なので注意)
を判断ポイントとして事前にホテルとコンタクトを取って決めました。
正直、宿泊費用は個人負担だと大きなネックにはなります。私が空港すぐそばの理想的なホテルを選定できたのは、コストとリスクを適切に理解してくれた会社のサポートあってこそなので、本当に感謝しております。ただし仮にサポートが受けられなかったとしても個人的に重視したのは、自分が「万が一発症した場合」についてはよく考えました。
自身の健康上の危険もそうですが、サポートしてくれるであろう家族や友人への影響等は考えました。そこには、発症した帰国者とその家族や知り合いが周りからどう思われそうか、についても含まれます。
2.自主隔離期間の国からのフォローアップ
厚労省のフォローアップはLINEが便利
厚生労働省から毎日、健康状態の確認がありました。加えて、私の滞在したホテルの方針として、毎日朝夕の体温検査とアンケートを記載して、別途ホテルに毎日提出しました(掃除のとき回収してくれます)。体温計はホテルから貸与されます。
厚労省からの確認ですが、具体的には住んでいる(滞在する)自治体の保健所から電話で連絡がきます。ただし、帰国当日にLINE登録すれば、電話連絡の代わりにLINEで回答可能です。私も登録しました。その方が、電話を待ったり、折り返したりする手間がなくなるからです。
ただ現実は違いました。非常に残念に感じたのであえて書きますが、LINE連絡がきたのは最初の4日間だけでした。結局、5日目に地元の保健所から電話が来て、口頭での連絡に切り替わってしまいました。電話は週に2回だけなのですが、その間の体温を別途メモっておく必要が出て、さらに対応時間もLINEよりかかります。大したことがないといえばそうですが、最初にLINEでさすが令和!と感じたのが、何の前触れもなく昭和に戻された感じがして、すごくがっかりしてしまいました。
もちろん、お気遣いの言葉と共に普段気になる質問にも丁寧に答えていただけたので、電話で話すメリットもあり、親切にご対応いただいた方には大変感謝しております。
3.自主隔離中の過ごし方
正直、やりたいことは多いほうなので何をしようかと困る時間は少なかったです。一方で、洗濯と外出に関しては困りました。特に外出に関しては未だにもやもやしています。
洗濯
洗濯については、事前にホテルに確認はしていたのですが、ランドリー(サービス)があるというのを、私が勝手にコインランドリーがあると頭のなかで誤変換していたのが原因で洗濯が自由にできなくなりました。手洗いするのですが、乾燥がまったくできない。そこで、当ブログのFuruさんにも相談したところ、タオルで巻いて絞ると早い、という豆知識を得ました。確かに早い!感謝!
それでも全く足りないので、ユニクロで買いだし!と思ったのですが空港周辺では閉まっていました。(ユニクロに限らず、グーグルマップで営業中、になっていても普通に閉まっていることが多い)ユニクロさん、ぜひ少数の困っている人にも愛の手を。。そこで、ユニクロオンライン(ちょっと在庫切れが多い。。今だけかな。)を利用させていただきました。この期間、オンラインショッピングを多用しましたが、ホテルフロント気付にすると、楽天もアマゾンもどれも2日以内で配達してくれました。オンラインの威力をまざまざと感じました。
また時間を持て余してしまうので、久しぶりに日本の本を存分に味おうと思いました。ホテルまで数日でアマゾンは重宝しました。
外出
一方で、外出についてです。前述の健康カードの「①指定された場所から(入国した次の日から起算して)14日間外出せず、ヒトとの接触を可能な限り控えること」を真面目に守ると、部屋から一歩も出ない、ということになりますが、どう考えても無理です。食事のことを考えただけでも無理なことがすぐにわかります。となると、どこまでその基準を守りながら外出するかというのを考えなくてはならないのですが、これが結構曖昧です。
14日間という定義
まず14日間ですが、しょうもない話ですが、正確に言うと何時何分何秒が最後になるのだろうと真面目に考えてしまいました。というのも、最終日に公共交通機関を使ってもいいのかどうかで、もう一泊する必要があるのかないのか変わります。結局、検疫、ホテル、保健所と知っていそうなところで聞いてみたのですが、答えがバラバラでした。仕方がないので、飛行機到着時間から満336時間(24時間x14)と勝手に決めて、14日目の午後には移動しました。今更ですが、おそらく14日目の24時が妥当な解釈な気がします。しかし、そもそも飛行機の到着時間が朝か夕方かですでに半日以上の時間差があるので、おそらく最終日に移動するのとその翌日にするのではほぼ誤差だとは勝手に解釈しました。一泊分の宿泊費がかかっていると思うと真面目にこんなことも考えてしまいます。基準はやっぱり明確であってほしい。
自主隔離中にはホテルで動画を楽しむ事も一つの時間の過ごし方です。UNEXTのVODサービスは今なら31日間無料トライアル。
ご飯と買い出し
日々の外出については、ご飯の買い出しと散歩は欠かさず行いました。ごはんについては、言わずもがななのですが、最初はレストランとかで(欧州に比べると)安い日本食をたらふく食べようと思っていました。しかし、室内ではやはりリスク(自分が与えるのも、与えられるのも)が高いだろうと思いとどまり、コンビニとファーストフードの持ち帰りのみに留め、全てホテルの部屋で食事をしました。
購入時にはクレジットカードを用いレシートを全て保管しました。というのも、クレジットカードだと自分で挿入するし、レシートがあると行動履歴を証明できると考えたからです。万が一、自分が感染源になったときに役立つと思います。散歩については、これは個人差があるかもしれませんが、私の場合、半分日課になっているので、メンタル維持に不可欠です。マスクと人ごみ回避を意識して、散歩していました。これらは欧州の経験が参考になりました。マスク無しでも距離をとることや消毒、顔を触らない、といった行動でスーパーでの買い物、散歩で感染しなかったからです。
以上が、私のおかれた状況での過ごし方でした。噂ではホテルによって対応は違うとも聞きます。また、私と同じ便の人で、検査待ちが一日かかることが判明して、1泊分ホテルをキャンセルをしようとしてトラブっているような会話をしている声も横から聞こえてもきました。事前に正直に自分の状況をホテル側に伝えて相談しておくことが、2週間の滞在を居心地がよいものにできる秘訣かと思いました。
4.自主隔離を終えて
ようやく2週間の隔離を終えて気づいたことが2つありました。
- 日本におけるSocial Distanceの近さ
- 強制と自由における心理的違い
日本におけるSocial Distanceの近さ
これは自主隔離期間中に外を歩いていて気づいたことでした。マスクはみんなちゃんとしています。欧州よりもはるかに多く、ほぼ100%に近いです。ただ、圧倒的に距離が近いです。後ろから急に人が現れて追い抜きざまの肩で切った風を頬で感じるほどの近さで何度かびっくりしました。
また、ベンチでも他に席があるのに近くに座ったりします(もちろん普段ならまったく気にしません)。個人的な見解ですがこれらは無意識の行動、身についた習性だと感じました。なので、私自身も今一度、なぜ距離が必要なのかを考え直して、自身の行動に責任を持っていきたいと思いました。
強制と自由における心理的違い
さあ、今一番何がしたいか言ってごらん?
2週間を経て、無事隔離(待機)する必要がなくなったとき、Furuさんから、何がしたい?って聞かれました。帰国当時は、日本食食べたいとか温泉入りたいとか、妄想も膨らんでいました。が、今から自由にできるとなった時点で不思議とそれだけで満たされて、特に何もしなくてもよい、と答えていました。これは自分でもビックリする心理的変化でした。
2週間の隔離についても同様のことが言えて、部屋から出るな、と言われるのと、自ら出ないと決める(いざとなったら出られる)のでは、心理的に各段に違うなぁということも感じました。
今まで世の中は強制的な自粛ムード。でも、強制には心理的な負荷が結構かかることを今回、身に染みて感じました。さらに経済的な負荷も重くのしかかっています。ワクチンは無いといえどウイルスの特性が徐々に判明しつつあることもある今、これからは必要な自粛モードは保ちつつ、自由に向けた気持ちの切り替え、仕事含めた新生活スタイルの構築の必要性をひしひしと感じました。
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今から約25年前に出版された堺屋太一氏の「組織の盛衰」。現在になっても古びる事ない、大企業や官庁の組織を読み解く。
これを読めば、コロナ下の中で起こっている事が理解する事ができる。自主隔離中の今だからこそ読みたい本。
組織の盛衰―何が企業の命運を決めるのか
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