スズメが桜の花を落とす理由・【動画・写真】
目黒川の桜並木の遊歩道を歩きながら、ふと上を見上げるとスズメが桜の花を落としている。写真を撮っても人間など気にする素振りを見せずに無我夢中で落としている。
桜の花びらを食べているのか思えば、落としているだけ、初めは遊んでいるだけと思ったが、小さい体の動物と言うのはエネルギー消費が大きい動物に対して大きいので、四六時中に餌を取る行動していなければならない。
生物学者の本川達雄一は「ゾウの時間 ネズミの時間」の中でこう言っている。「動物のエネルギー消費は体重の3/4乗に比例する。こんなに広く、どんな動物にも当てはまる経験則は、生物学を見渡しても、めったにお目にかかれるものではない」。
なぜ動物のサイズによってエネルギー消費が違うかと言えば、
例えば恒温動物の場合、体重あたりにして比べればサイズの大きいものほど恒温性を保つのに必要なエネルギーが少なくて済むからである。体積は長さの3乗に比例するが、表面積は長さの2乗に比例するので、(表面積/体積)は、長さが大きくなるのに反比例すて小さくなっていく。
と言う事で、サイズが大きい動物ほど体積あたり表面積が小さくなるので、表面から逃げていく水分の量が小さくなる。外気に接する面積が小さくなり、恒温動物の場合に体温を一定に保つエネルギー消費が小さくなる。またサイズが大きいほど体に蓄えられるエネルギーも大きくなり、飢餓状態に強い。
こんなに無我夢中に桜を落とすスズメをみて、これは遊んでいるんじゃない餌を食べているんじゃないかと推測して調べてみた。
やはりこれは桜の花を落として遊んでいるのでなく、蜜を吸っているとの事だ。
1980年代ごろに東京の写真家が気付き、野鳥愛好家の間で話題になったそうだ。スズメの食生活にも変化が現れ始めたのだろうと思うと、少なくとも戦前からみられる行動だと言うことが、全国各地の報告で分かってきた。その前に生きていて、スズメの行動を注意深くみていた人は、そのような報告をできないので、昔からあったのかもしれない。
桜にはメジロやヒヨドリなども蜜を吸うために集まる。それらの鳥たちは長くて細いクチバシをを持っているのるで、花の中にくつばしを入れて蜜を吸うことが可能だ。しかしスズメのクチバシは太く短いので、花を食いちぎって、花のがく側から蜜を吸い取っている。
美しい緑色の羽毛を持つメジロが桜の木の枝に停まる。
美しく長いクチバシを持つメジロは桜の花の中にクチバシを入れて蜜を吸う。
動画を撮影しながらみても、花を落とし瞬間が早すぎて、蜜を吸い取っているように見えないが、「ゾウの時間 ネズミの時間」を読んで、遊んでいるだけと言うことは考えられないだろう。
本の題名の通り、この本では動物のサイズによって時間が変わると言う事を説明している。
時間は体重の1/4乗に比例する。
もし動物が弾性相似なら、時間が体重の1/4乗に比例すると言うマクマホンの説明
力 = 質量 X 加速度 (ニュートンの運動の第二法則)
ところで
質量 ∝ 長さX断面積
加速度∝長さ/(時間)^2
これから上の運動の第二法則に入れると
力∝長さX断面積 /(時間)^2
ゆえに
力/断面積∝(長さ)^2/(時間)^2
筋肉の出す単位断面積あたりの力は一定なので、上式の左辺は一定となるから、
時間∝長さ
弾性相似なら、長さ∝(体重)^(1/4)なので
時間は体重の1/4乗に比例となる
ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)
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コメント
コメント一覧 (5件)
スズメと桜、メジロと桜の写真が綺麗に撮れていますね。ご自分で撮影されたのですか?小さい動物ほど遊んでいる余裕はないんですね
写真綺麗ですよね。shutterstockと言う写真を使用しています。有料ですが、1ヶ月10点までなら無料のキャンペーンをやっているので、鳥の写真が綺麗なので使わせてもらっています。
https://www.shutterstock.com/ja/home
よく見たら写真はshutterstockって書かれていましたね。こんな時期なので人が集まるところは控えていますが、近所でもすごく綺麗に咲いていて、この週末が見頃でした。
Shutterstockの写真は、コメントを頂いた後に追記しました。やっぱり人の集まらないところで散歩するのは精神衛生上必要ですね。近所の林試の森公園でも春の花が彩っていました。
このshutterstockですが、サブスクは電話やメールでないと解約できないという厄介なシステムというのが発覚したのでお気をつけてください。広告は全て撤去しました。