新潮社/カラスは飼えるか vol.3/不要不急のエネルギー消費
さあ、新潮社の「カラスは飼えるか」だがなかなかカラスが出てこない。何でそんなことがあり得るのかというと、著者の松原さん曰く、元々この企画は千駄木のある居酒屋で新潮社の編集者と飲みながら話を進めていたが、その時に話したサルの話、屋久島の話や宗教とニワトリの話を知らず知らずにほろ良い気分で話ている内に編集者がメモをとり、連載の企画が決まったそうである。
しかしながら、カラスはこの著者の博士号までとった専門分野で並々ならぬ感情移入が垣間見えるので、カラス以外の方が、適度の距離感があり、逆に面白く感じた。
例えば猛禽類の話があるが、猛禽類というのは肉食で捕食して獲物を得る必要があるが、あまり動かないらしい。著者が石垣島にカラスの調査をしに訪問した際、スクーターで現場へ向かう途中にカンムリワシがガードレールにいた。また1時間ほどしてそこを通りすぎると、同じガードレールの上にまたカンムリワシがいたという事だ。
このように猛禽類というのは「徹底して動かない」というのを特徴とする。小鳥はチョコマカ動いて片時もじっとしていないが、ここでも「ゾウの時間 ネズミの時間」であった小さい生き物ほど餌を獲得する為に動き回る必要があるということが思い出される。
そして、猛禽類のような捕食動物が動き回らない理由として、いつ獲物が手に入るかわからないことが挙げられる。その為に不要不急なエネルギー消費はさけた方がいいのだ。翻って、現在の日本の都市部は不要不急の外出自粛要請が出ているが、この猛禽類のようにいつ食糧が得られるか分からない方法が取られるという事をすると逆に買い溜めがおこるだろう。理由としては、食べ物を貯食できる保存技術が発達したからだろう。
資本主義とは資本を所有できる事で、お金も貯金できるからいつまでも使わずにためる傾向にある。お金に有効期限を儲ければ、もう少しお金も世の中に回るのだろうと思いながら猛禽類の不要不急な消費エネルギーを避ける話を聴く。
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カラスは飼えるか
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